「ペンギン、家で飼えないかなあ……」
ちょっと元気がない日や、心が沈んでいる日に、水しぶきをあげて泳ぐペンギンをぼんやり眺めたい……。
そんな想像をしていたら、
最近『世界一おもしろい ペンギンのひみつ』という本が発売になったとのこと。
ここに「ペンギンの飼い方」が載っていると聞いたので、
編集した校了メンバーの池田るり子さんに、さっそく話を聞きに行ってみました。
谷
ねえねえ、るりこ、家でペンギンが飼えるって本当?
池田
えっ、いきなり?なんで?
谷
それがさ、大学の頃から、家でペンギンを飼うのが夢だったんだよ。
池田
えっ、けっこう大人になってからの夢だね……?
それがさあ、なんと、飼えなくはないんだよ。
谷
本当に! どうやったら飼えるの?
池田
あやこ、正気?
ほんとうに飼おうと思ったら、水族館みたいな設備が必要なの。
谷
そ、そうなの……? たとえば、どんな?
池田
まず、10×10×10mくらいの広い水槽。
谷
ちょっと待って。
まず、そもそも10mの長さがとれる家に住まなきゃいけないの?
池田
そうだね……。でもこの大きさにはちゃんと理由があって、ペンギンって、泳いでストレス発散するんだって。
だから、びゅんびゅん動き回れる場所がないとダメなんだ。
谷
そうなの! じゃあお風呂じゃ絶対ダメじゃん。
池田
お風呂だと、びゅんって動けないからね。
ペンギンって、金メダリストの3倍くらいの速さで動くんだよ。
谷
金メダリストの3倍ってどれくらい速いの?
池田
時速20キロくらいかな。
それを叶えてあげないとストレスで死んじゃう。
谷
やだ! 死なないでほしい!
池田
でしょ? それに、水槽がもしあったとしても、無菌状態じゃないとダメなの。
谷
無菌?
池田
南極って、つねに0℃以下でめちゃくちゃ寒いから、菌がいないのね。
だから、それを再現するには、すんごい強い冷房と、すんごい強い空気清浄機を何台も置かないといけないの。
谷
南極ってすごいな。
じゃあ、窓とかあけたら、菌が入ってきちゃうのか……。
池田
うん、しかも、水槽の水をきれいに保つための、ろ過装置も必要だよ。
そう考えると、水族館ってほんとすごいよね。まあ、素人が家で飼うのは……なかなか……。
谷
でも、たとえば仮に、仮にだよ。
明日から大金持ちになったとするよ。
池田
どんな事が起こってそうなるの? 急だよ……。
谷
豪邸に住んで、10×10×10mの水槽を置けて、空気清浄機も、ろ過装置も買えたとして、そしたら飼えるのかな?
池田
うんうん、そしたら飼えるね!でもさ、この本で本気でシミュレーションしてみたところによると、もはや、自分の家にペンギンがいるっていうより、ペンギンの家に自分が間借りしてるみたいな感じになるよ……。
谷
これは、完全に「ペンギン中心の生活」やな……。
池田
まさに「皇帝」ペンギンだよね……。0℃だから、そんなに長くここにいられないし。
谷
皇帝……。
はっ、そういえば、なんで「皇帝ペンギン」なの? 偉いの?
池田
これはね、じつはペンギンって世界に18種類いるんだけど、「キングペンギン」っていうのが先に見つかったんだよね。
谷
へええ、キングペンギン。なんで王様なの?
池田
それはね、そのキングペンギンっていうのがいちばん大きかったからなんだって。
でも、あとからもっと大きい種類がみつかって。「王様より大きいのがいた!」 ってことで、「皇帝」になったらしいよ。
谷
そうなんだ! たしかに風格もあるけど、こんなに可愛いのに「皇帝」なんだねえ。
池田
ねえ。ペンギンってほんと可愛いよね。
谷
うん。ほんとうに可愛い。正直、記事化はしてないけど、もう愚かなくらいさっきから「可愛い」しか言ってないよね。私たち。
谷
なんでこんなに可愛いんだろう。この、もっちりしたお腹かなあ。
あと、歩くときのよちよち感もたまらないよね。
池田
そうだよね! 体重を左右にゆっさゆっさかけて、一生懸命歩いててさあ。
あんなによちよち歩いてるのに、まさかほんとうの脚はめっちゃ長いなんて
この本作るまで知らなかったよ。
谷
え! ちょっと待って。
今、さり気なく言ったけど、ペンギンって、脚、長いの?
池田
そうそう、じつは「ひざ」があるんだよ。
体の中に隠してるの。
谷
私、ペンギンが鳥類だってこと、じつはずっと疑ってたけど、これを見ると紛れもなく鳥だって思えるね。
池田
鳥だね。間違いなく。
谷
この脚、いつかにょきっと出てくるんだろうか。
池田
いざというときにね。
谷
いざというときっていつだろう……。
池田
あやこが大金持ちになった時じゃない……?
次回は「ペンギンの子育て、パパめっちゃ頑張る」の巻!
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