【ベストセラーを読む】第2回 『ワイン一年生』がいかに編集的にすばらしいか

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実用書、それは新たな能力が身につく、新しい扉です。
この【ベストセラーを読む】コーナーでは、編集的にすごいと思った本について熱く語ります。
第1回『ワイン1年生』を読んで、ワインをその通りに飲んでみたくなったふたり。
今日は、実際にワイン飲み比べを、この本『ワイン一年生』通りにやってみようと思います!

 あみちん、実際に読んでみたけど、あの6つの前にもうひとつ覚えておくことがあったね

中野

 あ、わかった? じつは前回の記事、ちょっと飛ばしてて、本当は基本の部分があるんだよね。こないだの解説は、いちばんおもしろいところを言いました

 実際に飲むなら、そこからした方が味の基礎が分かると思います

中野

 そうだね、この本の構成のとおり、飲むとなったら飛ばさずに順番にやっていこう

 今日は何をする?

中野

 赤ワインと白ワインの味の基本を舌に覚えさせる、でどうかな?

 え、なにそのセリフ!? かっこいいね

 

中野

 やばい、ワインって単語、気をつけないとすごいかっこよくなるね! まず、本によると、赤ワインで大切なのは、「何が重くて何が軽いのか」を最初に知っておくこと、だそうです

 よくワインについて「重い」「軽い」っていうけど、「重い」「軽い」がどういうことなのか、本当の味を知っておこう、ということだね

中野

 そして白ワインは、まず「辛口」「甘口」の違いを知ることが大切、とのことです

 白ワインは「重い」「軽い」じゃないんだ!

中野

 いやー、ここ編集者的には絶対揃えたかったところだよね。でも、赤も白も「重い」「軽い」で統一できないってことは、白は重い、軽いはあんまり重要じゃないのかな

 白ワインは「辛口」「甘口」なんだね

中野

 いちばん大切なのは、自分がそのうち何が好きかを正確に知ることだって

 分かった。好き嫌いをはっきりさせよう!

中野

今日は、赤ワインと白ワインを2本ずつ飲み比べます

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中野

 じゃあまず、赤ワインから飲んでみよう!

 「重い」か「軽い」か、自分がどっちが好きか知るんだね

中野

 赤ワインは、ボルドーとブルゴーニュをふたつ飲み比べるのが味の基準らしいよ!
ボルドーが重い代表、ブルゴーニュが軽い代表とのことです。このふたつを飲んでみよう。

 

 この2種類の味を覚えれば、赤ワインの基準がうちらに身につくんだね!
そもそも、ボルドーとブルゴーニュって何なんだっけ?

中野

 フランスの地名だそうです。両方とも

 品種ではないんだね

中野

 ボルドーとブルゴーニュは地名、ボルドーとブルゴーニュは地名、ボルドーとブルゴーニュは地名……

 なに?

中野

 いや、飲みながら唱えたら覚えるかなと思って……

 いい考えだ!

中野

 そして、ボルドーが「重め」、ブルゴーニュが「軽め」……

 じゃあボルドーから飲んでみよう

中野

 ふーん、「重い」ね!

 絶対分かってないでしょ

中野

 じゃあ次は、ブルゴーニュを

 ブルゴーニュは軽め、ブルゴーニュは軽め……

中野

 あれ?

 ごめん……私どっちも味が違わない気がする。あみちん、分かる?

中野

 じつは私も……軽いかなあ…? 軽いというより、苦い気がするんだけど

 なんか、どっちも甘味がないよね。両方とも苦くて渋い気がする

中野

 あっ!!(ラベルを見る)

中野

 これ、ボルドーって書いてない!?

 書いてるよ!!

中野

 両方ボルドーだった!! うちらの舌正しくない!?

 正しいね!!!

中野

 発注ミスだ!

 発注ミスだね!

中野

 ちょっとカクヤスに電話してみる! この本には、フランスワインは3000円以上出した方がハズレが少ないって書いてあるけど、その値段のカクヤスにあるかな(電話する)

中野

 あるって! 1980円だけどもういいよね。一時間で届けてくれるらしいよ。

 カクヤスすごいな!

(ふたりでカクヤスを30分待つ)

中野

 というわけで、とどいたよ~正真正銘のブルゴーニュのワインでございます

 あっ、これが軽い、ね!

中野

 なんだろう……形容するなら、「苦さがまったくない」??

 ボルドーと確かに違うよね。ボルドーは渋くて苦い

中野

 ボルドーは渋いってこの本に書いてあるよ

 この本は正しいなあ

中野

 そして渋いことを「タンニンが強い」って言うらしいよ! そして、つぶやくの大事だから、ためしにつぶやいてみろって書いてある

 「このワインは、タンニンが強いね」

中野

 綾子、かっこいい!!

 私はボルドーの方が好きだな

中野

 私はブルゴーニュ! 苦くないことを軽いっていうんだな……。なんかさー、私重いのが好きだって思ってたけど、違った。軽いやつが好きだった

 分かる気がする。たぶん「重いのがほしい」って言う人って、甘くないやつがほしいって意味なんじゃないかな。

中野

 でも、赤ワインは甘さは関係ないということが分かったよ

 ブルゴーニュは軽い、ブルゴーニュは軽い、ブルゴーニュは軽い……

白ワインの味の基準は、「辛い」か「甘い」か

中野

 では、次は白ワインの味の基準を知りましょう。飲むのは、シャブリとリースリングです

 白ワインの味の基準は、「辛い」と「甘い」が基軸でしたよね

中野

 赤ワインみたいに、軽い、重いじゃないんだ

 うちらよっぱらいにこんな複雑なこと覚えられるかな

中野

 シャブリがスッキリ、リースリングが甘い。酔っ払いなりに書いて覚えよう……

 

中野

 ちなみに、シャブリも地名らしいよ。ブルゴーニュのワインなんだって

 ??

中野

 ブルゴーニュの中に、シャブリっていう場所があるんだって

 一階層低いんだね。シャブリって値段が高い印象ない?

中野

 あるある! 昔、マンガとかのバーのシーンとかで「シャブリをくれ」とか言ってた気がする

 この本に、「メジャーになりすぎたばかりに大量生産されて、味がピンキリ」って書いてあるね

中野

 私が見たのは、シャブリブームのときだったのかね…。そして、シャブリの反対の「甘い」代表のリースリングは品種です

 第1回で言ってたやつだね

中野

 リースリングは甘い、リースリングは甘い、リースリングは甘い……

 では、両方飲んでみよう!

飲む

 シャブリは何か、味がないなあ…

中野

 ごめん、安いやつ買ったからかも

 でもなんか、さわやかだよね

中野

 あとさ、エビアンみたいな感じしない? 硬水みたいな

 あ、するかも!!

中野

 シャブリ好きだなー

 対して、リースリングは、「甘い」と言っても「味がいっぱいある」感じがするね

中野

 そうだね! 私、甘いの苦手だと思ってたけど、そんなことなかった。甘いんだけど、いわゆる砂糖みたいな甘さじゃなくて、果物みたいな甘さで、おいしいね。ツマミなしでグイグイいける

 きっとごはんに合うのはシャブリだな

中野

 では、私が好きなのは、赤が軽め(ブルゴーニュ)、白は辛め(シャブリ)でした

 私は赤が重め(ボルドー)で、白が甘め(リースリング)だな

中野

 好みが分かれたね

 うちらは飲みに行ったらグラスでそれぞれ頼もう

今日のまとめ

 

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つまり、今日いちにちこれだけを覚えるためだけに一生懸命ワインを飲んだふたり。
でもちゃんと覚えられました!
これからもたくさん飲みながら、どんどん詳しくなろうと思います。

この記事を書いた人

中野亜海
編集者
愛媛県出身。読んだ人が「きゃー! やりたーい!」となる本をつくりたいと思っています。メイクから世界遺産まで何でもつくってます。趣味は三味線と江戸時代。尊敬する人は保科正之。

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