【なんだか気になる「あの人」に会いに】 梅津有希子さん 第3回 自分の体は、自分で選んだものでできている

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『終電ごはん』という本をご存じでしょうか。
まるで文芸書のような、黒い装丁に柔らかい文字。
簡単でおいしそう。そんなレシピが載ったこの本を執筆されたのが、梅津有希子さんです。

最初はこの『終電ごはん』についてのお話を伺う予定だったのですが、流れは思わぬ方向に。

池田

終電族におすすめの「お助け食材」みたいなものってありますか?

梅津

いつでも料理ができるように、冷蔵庫と冷凍庫に食材を充実させておくことだと思います。充実っていってもパンパンに入れるんじゃなくて、ある程度キーとなるものを常に入れておく。

キーとなるもの?

梅津

そう、私が必ず常備しているのが、冷凍うどん、冷凍ごはんです。あと納豆は冷蔵庫にも入ってるし、パックのまま冷凍できるんで冷凍庫にも入れてます。

パックのまま……ってことは、解凍するときってどうやって?

梅津

うちは発泡スチロールじゃなくて紙パックのを買ってるんですよ。上の薄いフィルムを外して、あとはレンジに入れてチンするだけ。あまりやるとベタベタになっちゃうので、ワット数にもよるんですけど、十数秒で大丈夫です。様子を見ながら、少しずつチンしてみてください。

そっか、紙パックにすればそのままチンできるんですね。納豆は、納豆ごはんにするんですか?

梅津

納豆ごはんだけじゃなくて、冷凍うどんと生卵を使って釜玉納豆うどんにしたりとか。うちは必ず納豆ごはんか釜玉納豆ができる環境になってるんで。

わあ、いいですねえ。それだけでもうほっとする。

梅津

そう、だから何も買って帰れなくても「これだけはつくれる」っていうものを3つぐらいおぼえておけばいいんですよ。「あれならつくれる」、「あれなら食べられる」って思ってるものがあるだけで、精神的にほっとするので。

まさに「お助け食材」ですね。ほかにはどんなものを常備されてますか?

梅津

卵も必ずあります。あとはインスタントのわかめスープ、もしくはインスタントのみそ汁でもいいと思います。何も買い物できなくても、これで、納豆ごはんと汁ものはあるわけじゃないですか。栄養面でもお弁当を買うよりは安上がりだし、体にもいいんじゃないのかなって思います。

たしかに、コンビニで買うよりも罪悪感がないし、健康そう。

梅津

そうなんです。終電で帰ってきてから自炊は無理かもしれないけど、いつも外のものやコンビニのものばっかりじゃあ、体に良くない。忙しく働く人ほど、もうちょっと自分が食べるものを見直したほうがいいんじゃないですか? ってことを伝えたいんです。自分の体は自分で選んだものでできてるので。

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ああ、すごく大事なことですね。

梅津

あとはストレス。今、働き過ぎが問題になってるじゃないですか。それって体にいいこと1つもないと思います。

ストレス……。

梅津

簡単なものでも、自分で食材を選んで、自分できちんとつくったっていうのが、心の満足感にもつながるんじゃないかと思ってるんです。自分に手をかけることができた、ちょっと体にいいことしたっていう満足感を積み重ねていくのはすごい大事だと思って。

満足感。

梅津

そう、前に女性誌で健康に関する特集を担当したときに取材したお医者さんが、冷たいものばかり食べてると心も冷えるって言ってたんです。それが鬱につながることもあるって。

なるほどなるほど。

梅津

だから、あったかいものは心を温めるんだって聞いたときに「そうかもな。」と思って。私がいつも温かいスープをつくってるのは、それなんですよね。夫がすごい疲れて帰ってくるので、大丈夫かなって心配になる時期があって。

池田

ご主人、うらやましい。

梅津

編集って忙しいじゃないですか。いろいろ板挟みになったり、校了前で大変だったりとか。そういうときに、温かいスープを飲んで「ほっとする」って言ってたから。たしかに冷たいビールばかり飲んでたら、心も冷えたままでいるんだろうなと思って。

体の中が温まると、ほっとして幸せな気分になりますもんね。スープ偉大だわ。

第4回に続く…

この記事を書いた人

谷綾子
編集者
滋賀県出身。「椅子なきところに椅子を置く」をテーマに、料理、児童書、文芸など、いろいろなジャンルを手がけています。たのしくて情緒のある本と、お笑いが好き。アルパカも好き。