【なんだか気になる「あの人」に会いに】 梅津有希子さん  第1回 「『終電ごはん』って本を、誰か作ってくれ」とつぶやいた

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終電ごはん』という本をご存じでしょうか。
まるで文芸書のような、黒い装丁に柔らかい文字。
簡単でおいしそう。そんなレシピが載ったこの本を執筆されたのが、梅津有希子さんです。

最初はこの『終電ごはん』についてのお話を伺う予定だったのですが、流れは思わぬ方向に。

「レシピ本の著者」じゃなくて、映画『青空エール』の監修? ライターさん? SNSの本も出してる? 犬の雑誌出身? えっ、だし愛好家?
この人、何者……?

梅津さんの軽やかで自由な姿が、取材した私達の心をパッと明るくしてくれました。

 

(『終電ごはん』を見ながら)私、この本、自宅の本棚で、レシピ本じゃなくて、文芸書のコーナーに入れてます。

梅津

ありがとうございます。たしかに、文芸書っぽいですよね。

 

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この本は、最初は何から始まったんですか?

梅津

最初は、私が夫に作っていた「終電ごはん」をインスタグラムに上げたところから始まったんです。夫は編集者なんですけど、遅いわけですよ毎日。終電で帰ってこられればまだいいほうで、だいたい1時とか2時とか、そういう感じでした。

それは……。もはや「終電超えごはん」ですね。

梅津

そうなんです。で、夫に「今日ごはん、いるの?」と聞くわけですけど、「食べるか食べないかわからない」と言われるわけです。まあ世の妻をイラッとさせる言葉ですよね(笑)

ですね(笑)

梅津

しかも、そもそも私が料理が得意でなかったので、「作ってラップしておいとけばいいよ」っていうのができなかったんです。

ラップしておいとけばいいよ、というのは……?

梅津

たとえば、豚の生姜焼きを作るじゃないですか。でも、キャベツの千切りも添えたら、いっぺんにチンできないじゃないですか。キャベツがシナシナになるから。かといって、分けても洗い物が増える。チンしておいしく食べられるものを作ることができなかったんです。

たしかに。言うのは簡単ですけど、実際やるとなると、都合悪いことも出てきますもんね。

梅津

そう。ただ、外でその時間に食べるっていったら、駅前には牛丼、カレー、ラーメンみたいなチェーン店しかないじゃないですか。そんなの毎日続くと体にもよくないですし。だから、家にあるもので作ってたんです。それを「今日の終電ごはん」とか言って、インスタにあげてて。2011年くらいですかね。

そんな早くに!

梅津

今みたいに「インスタ映え」とか、そんな言葉もない時代ですよ。「おいしそうですね」ってたまにコメントもらうぐらいだったんです。で、ある日、酔っぱらってtwitterでつぶやいてたんです。
「終電の料理のレパートリーもないし、10分で作れて洗いものが少ない『終電ごはん』っていう本を、誰か作ってくれ」って

誰か作ってくれ(笑)

梅津

そう、そしたら、面識はないけどたまたまtwitterでつながっていた編集者の方からダイレクトメッセージが来て、「『終電ごはん』は私も興味があるので、企画出してもいいですか?」って。それで「どうぞ、ぜひ」っていったら「企画通りました」っていうのがきっかけだったんです。

 

第2回に続く…

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この記事を書いた人

谷綾子
編集者
滋賀県出身。「椅子なきところに椅子を置く」をテーマに、料理、児童書、文芸など、いろいろなジャンルを手がけています。たのしくて情緒のある本と、お笑いが好き。アルパカも好き。