このサイトは、「この人のつくるものが大好き!」と、胸を張って言い合える6人の仲間でつくっています。
どんな思いでものをつくっているのか、どんなことを考えているのか……サイトの公開にあたって、お互いのインタビューをしてみました。ここでは、戸田江美さんにインタビュー!
戸田さんはこの「本日、校了!」のサイトデザインなど、ネット関係を一手に引き受けてくれるブレーン的存在。我々編集者たちが、ネットにおろおろするなか、わかりやすく丁寧に教えてくれるお姉さんなのです(年下だけど)!
漫画のNANAを彷彿とさせるクールビューティーえみりーに、宮崎が話を聞いてみました!
宮崎
今回はこのサイトをデザインしてくれてありがとう! かわいく仕上げてくれて、本当に感激です。いろんな人たちから、サイトのデザインいいね!って言われるよ。
戸田
こちらこそ、本の編集者さんたちの仕事ぶりを間近で見られて楽しいです~。
宮崎
やさしいなあ。
じつは今回のインタビュー、少し緊張してます。
戸田
何でですか?(笑)
宮崎
いやあアナログだから、えみりーが発する言葉理解できるかなと(宮崎はガラケーを愛用中)。
では、さっそくなんだけど、えみりーの経歴をかんたんに教えてください!
戸田
えーっと、もともと美大在学中に、幼いころからやってるWEBデザインが仕事になるって知って。
宮崎
ん??? 幼いころからWEBデザインやってる?? そこんとこ、もうちょっとくわしく。
戸田
はい。小学生のときからWEBサイトつくってました。何人かのクラスメイトはサイトつくってましたね。
宮崎
まじっすか……。ちょっと面食らった。えーっと、続けてくれる?
戸田
はい(笑)。それでアルバイトしながらWEBデザインを学びました。そしたらやっぱりめちゃくちゃ楽しくて! それで面白法人カヤックに就職して1年働いて。今はフリーランスでWEBやグラフィックデザイン、WEBライターのほかに、ロゴデザイン、イラストレーターもやっています。あ、あと大家もやってます。
宮崎
すごい多彩だー!
そういえば、料理書の『まいにち小鍋』の挿絵を担当してたよね。あのゆるいイラスト、ツボだよ〜。
(『まいにち小鍋』の記事はこちら)
http://honjitsukoryo.com/konabe01/
宮崎
じゃあ、さっそくなんですが、メインの仕事であるWEBデザインで大切なことって何ですか?
戸田
ユーザーファーストですね。
宮崎
ゆーざーふぁーすと?
戸田
はい。ユーザーが直感的にさわれるか、直感的にテンションが上がるか、直感的に気もちを揺さぶれるか。これを大事にしています。
宮崎
なるほど! たしかにサイトって、じっくり品定めはしないもんね。
戸田
そうなんです。ちゃんと「使い方」がわかることと、「気もち」が盛り上がること。これがとにかく大事ですね。
宮崎
わー! めっちゃ勉強になる!
でも本も同じだなあ。つかみの部分である「はじめに」を大切にしている編集者は多いと思う。
戸田
そうかもしれないですね。
カヤック時代はゲームアプリのデザインも担当してました。ゲームは絶対に操作させないといけないし、最終的には課金をしてもらわなきゃいけない。
だから「○○さんの作ったバナーがめちゃ跳ねた!」とか、「○○さんが描いたキャラのアクセス数がすごい!」とかって、社内で盛り上がってました。
宮崎
「○○さんのキャラが、かっこいい!」ではないんだね。
戸田
そうなんです! ただ自分の趣味で外見にこだわってデザインしても怒られてましたね。
ちゃんとユーザーの感情を目線順に組み立てられているのか? っていうのを問われ続けました。それでずいぶん鍛えられました。
宮崎
そうなのかあ。あと聞いておきたいのがWEB記事の書き方。
本の紹介などで、わたしもWEB用の原稿を書くことが増えてきたんだけどポイントはありますか?
戸田
「コンパクトさ」でしょうか。
宮崎
というと??
戸田
WEBの記事も、秒単位で人の心を惹きつけなきゃいけないんです。だからダラダラ説明できない。できるだけコンパクトに伝わるよう心がけていますね。それに、徹底的に読者目線になることも大切だと思います。
宮崎
おっと、また書籍編集と同じようなキーワードが。
戸田
見る人がどんな目線で、どんな順番で読むのか分析したり、WEBの編集者さんに教わったりしながら書いています。
宮崎
さっきのWEBデザインと通じるね。「目線」というキーワード、すごく勉強になります。
戸田
あとは、この情報を求めていそうな、友だちの○○ちゃんにおすすめするつもりで記事を書いてるかな。そのほうが多くの人に刺さる文になると思います。
宮崎
カヤックを経てフリーランスになるわけだけど、さっきも聞いたとおり、WEBデザインにライターに、ロゴにイラストに……って。どうしたらそんなふうになれるんだろう?
戸田
とにかく作ることが大好きなんです。デザインもイラストもぜんぶやりたい!っていう感じ。だからあんまり仕事って思ってないかも(笑)。
宮崎
うらやましい……! 自分の手でものを作り出せる人、本当に尊敬します。
戸田
好き好き!って言ってると仕事が来るんです。
わたし、歴史が、とくに江戸が大好きで。いろんなところで「好き!」って言ってたら、歴史キャラクターのデザインを依頼してもらえて。もう楽しくて!
宮崎
おお! 見かけによらず、結構渋い趣味してるね(笑)
他にもそんな事例あるの?
戸田
はい。和小物が好きなことを知ってもらえて、地元の行灯屋さんのショップカードを作りました。
宮崎
あんどん?
戸田
はい。行灯を広めていきたい!っていう心意気のある職人さんで。私、レトロ大好きなので、ぜひ!って言って引き受けました。
宮崎
あとは大家さんもやってるんだよね??
戸田
はい。本当にいろいろやってますね、わたし(笑)。下町の「トダビューハイツ」っていう物件の大家さんです。
宮崎
下町! また渋いね〜。
戸田
築40年の物件です。「下町のカスタマイズ賃貸住宅」っていうキャッチコピーで、ふすまとトイレの床を無料で好きなデザインにできるサービスをやっているんですよ。
宮崎
カスタマイズできるって、いいね〜!
戸田
この間入ってくださった入居者さんには、トイレの床に石を敷き詰めました。すごく良い感じです。おかげさまで大変好評いただいております!
それにこの間はトダビューハイツ初のイベントで、入居した落語家さんの落語会を開催しました。
宮崎
すごいな〜。いろんなことを同時に進めるってすごくパワーがいると思うんだけど、何だろう、このさわやかさは。
戸田
いやいや、ただ好きなんですよね〜。
宮崎
いやあ、今日はめちゃくちゃ勉強になったし、たくさん刺激をもらえたよ。またいろいろ教えてください! ありがとうございました。
戸田
ありがとうございました!
何でもひとりでできちゃうえみりー。逆にできないことを聞きたいくらいでした。
最近ではWEBのみならず、本の挿絵も手がけているそう。
そんなえみりーを一言でいうなら、それは「軽やかさ」。
好き! おもしろそう! って言いながら
仕事の幅を広げていく姿は、とても軽やかで最先端の働き方を感じます。
今後も「本日、校了!」のネットブレーンとして、よろしくお願いします!
この記事を書いた人
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